アニメ版「進撃の巨人」のDVD/BDの1巻(2013年7月17日発売)には初回特典として「進撃の巨人0巻」がついてきます。
なんと65ページ。コミックス1巻の第一話が55ページなのでそれよりも長いですね。
開封した時の第一印象は「え、こんなに厚いの!?」でした。
左の写真では読み応えのある別冊付録として評価の高かった「ブレイクブレイド」の設定資料集1&2を参考として並べています。何の参考になるかわかりませんが、ブレイクブレイドの設定資料集は55&48ページでした。
・0巻とは
「進撃の巨人0巻」は2006年にマガジングランプリへの投稿作として描かれた未発表作品です。諌山先生のコメントによると、「漫画の描き方もペンの使い方も知らない頃に描いた作品」とのこと。諌山先生は1986年生まれですから2006年当時は20歳。さらに先生は専門学校のマンガ学科に通っていたはずなので、漫画の描き方を知らないと言うのは「お前学校で何やってたんだよw」というツッコミ待ちを兼ねた謙遜的表現というやつでしょう。
さてそんな0巻の内容なんですが、現在連載中の作品とは大きく設定が異なっています。
街を囲むのは壁ではなく並木。巨人は自然を破壊しないのでビッチリと隙間なく樹を植えるとそれが防壁になるのだとか。
立体機動装置はなく、巨人との戦闘は己の脚力で巨人の体を駆け上り、刀で斬りつけるというもの。やや超人バトル漫画にシフトしてますね。
持ち味である息苦しい緊張感と、悲壮な現実に強い意志で打ち勝とうと足掻く人間の姿はこの当時から確立されている感があります。絵の技術的にはおそらく高いレベルではないのでしょうが、それでもグイグイと読まされてしまう力はすでに顕在していますね。
これだけ荒削りな作品を拾い上げ10冊で2000万部売り上げるメジャータイトルへ昇華させた講談社の編集担当さんの先見性に敬服するばかりでございます。諌山先生の持ち込み時代の作品を「ウチと作風が合わないから」と却下したジャンプの編集者はさぞ悔しい思いをし、飲み会では「あの時キープしとけばよかった~」とネタにしていることでしょう。
今の時点で内容についてあまり詳しく書くことは憚られますが、1ページ目から「これってもしかして今の作品の設定として取り入れられているんじゃ・・・」と思ってしまうような世界設定が書かれていたりしてドキッとします。興味のある方は手にとってみてはいかがでしょうか。
0巻がついてくる円盤はこれです
(DVD)進撃の巨人 1 初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻
(Blu-ray)進撃の巨人 1 初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻