進撃の巨人 ネタバレ考察

(135)天と地の戦い

多くの犠牲を払い、アルミンたちがようやく追いついた地ならしの主、始祖の巨人・エレン。

始祖の背に乗る獣の巨人に狙いを定め、飛行艇から降下ざまに攻撃を喰らわせる一行。

パラディ島から遠く離れた大陸の向こう側で、人類の命運を左右する戦いが人知れず始まろうとしていた──。

進撃の巨人 第135話 天と地の戦い
別冊少年マガジン 2021年1月号(12月9日発売)掲載

始祖の巨人の背で

前回、飛行船団の爆撃に対抗するためエレンが採った手段は、獣の巨人を出現させて投石での対空射撃にあたらせることでした。実際それは驚くほど効果的で、爆薬満載の飛行船は誘爆を起こしながら全て墜落。その直後にガス欠寸前の飛行艇で駆けつけたのがアルミンたちです。

彼らの狙いはエレンが取り込んでいるジークで、エレンとジークを引き離してしまえば「王家の血」という条件を満たせずエレンは始祖の能力を行使できなくなるはず…だからジークをなんとかして見つける(気合で)という雑な作戦でここまでやってきました。

幸い、というべきかエレンは獣の巨人に対空迎撃させていましたので、それを確認したリヴァイらはあそこにジークがいるぞと喜び勇んで飛空艇から降下。巨人化したライナーが獣に体当たりして引き裂きます…が、手応えなし。そこにあったのは巨人の抜け殻で本体であるジークの姿は見えません。「戦鎚」の本体が地面に潜っていたのと同じやり方で、巨人と本体を離して身を守っていると思われました。

骨の陰かあるいは並び立つ骨棘の内部にでもジークを隠したまま巨人を遠隔操作して戦わせる。広範囲を走り回るような戦いには不向きでしょうが、今彼らが戦っているのはエレンの背骨の上という極めて移動範囲が限定されたフィールドですから、この手は有効です。

ここでのんびりジークを探して回る時間はない…。ならば次の手は。ジャンはアルミンに決断を迫ります。

アルミンはうなずき、予定通り超大型に変身する際の爆圧で周囲一帯を吹き飛ばすことを宣言。エレンはそのくらいでは死なないだろうがせめて事態を打開する一手になって欲しい、という出たとこ勝負で仲間に避難を促しました。急ぎその場を離れる一行ですが、アルミンが逡巡している隙に背後から別の巨人が出現。アルミンをその口腔内へ捕らえます。

慌てて引き返そうとするミカサたちが見たのは、次々に湧いて出てくる巨人の群れ。それも「無垢の巨人」とは様子の違う、それらしい雰囲気を漂わせた一団でした。新手の巨人らは様子をうかがい連携しながら攻撃を仕掛けてきており、ピークはそれをエレンが蘇らせた歴代の9つの巨人のコピーだと推定します。どうでもいいけど所々のデザインにベルセルクみが感じられて楽しい。

↑今回現れた過去の「鎧の巨人(?)」
↑「ベルセルク」より。この使徒もどきは鎧の巨人だった!?

以前のイメージ映像でも過去の9つの巨人は今の戦士隊の巨人とはかなり形状が異なっている者がいましたが、結構バラエティ豊富だったんですね。

 

人類の切り札アルミンを連れ去ったのは過去の「車力」でしょうか、長い舌でアルミンの体ごとぐるぐるに巻き取り、舌の先端をアルミンの口にねじ込むことで身動きを封じて自傷行為ができないようにして姿を消しました。リヴァイによれば後方(エレンの尻側)へ下がったようです。そちらからは無数の巨人たちが続々と押し寄せ、突破は困難。それを見てピークは瞬時に決断し行動しました。

車力は棘を足場にしてアルミンが連れ去られたのとは逆方向へ跳躍し、巨人たちをかわしてエレンの頚椎に飛びつくと、自分の体に巻き付けていたダイナマイトを淀みのない動作でエレンの首に巻き直します。車力の背中には起爆装置がテープで固定してあり、ピーク本体がスイッチを押そうと姿を見せた瞬間、後ろから「戦鎚」の槍がピークを貫き縫い止めます。起爆装置は手からこぼれ、ピークは車力の体躯ごと戦鎚に抱え上げられてしまい、抵抗する素振りは見えません。

ピークの安否に気を取られたライナーに後ろから襲いかかったのはガリアードに酷似した小柄な巨人。もはや鎧とは名ばかりのハリボテと化したライナーはいとも簡単に爪で切り裂かれ苦戦するも、コニーに助けられて態勢を立て直します。雷装の残数は乏しくこのまま防戦していてもジリ貧で追い込まれるだけですから、アルミン奪還へ向け死中に活を求める主義のリヴァイはフルチャージを命じます。

広告

絶体絶命

囚われとなったアルミンは酸欠で混濁する意識の中、最後に見た人影について思案していました。

あの時、エレンの背中には始祖ユミルがいた。この巨人たちを産んでエレンとアルミンたちの対峙を阻んでいるのはおそらくこの始祖ユミルで、エレンが積極的にアルミンたちを殺そうとしているわけではない。しかしそれがわかったところで抗うすべはなく、このまま終わる…。思索は途切れ、アルミンの視界が闇へ沈もうとした時。彼の前にベルトルトが現れ、静かに涙を流します。その意味は…?

アルミンが見たベルトルトとの因果関係は不明ですが、「外」でも先代の超大型巨人(ベルトルト)が上半身を現出させていました。その双眸に光はなく、無造作に鎧の巨人を掴むと頭から躊躇なく丸かじりにします。とっさに巨人の体からライナー本体を引きずり出したジャン。超大型は鎧の体を持ったまま振りかぶり、それを始祖の背骨に叩きつけました。

衝撃でコニーは意識を失いワイヤーで宙ぶらりん。リヴァイは体をしたたかに打って吐血し身動きできず。ライナーは転落寸前のところをジャンが片腕で掴んだものの、立体機動装置が故障し引き上げられない。動けるのはミカサだけ。なのに巨人はどんどん増える。フォローも限界です。コニーがいよいよ食われようとした時、気力を振り絞って救出に入ったリヴァイですが動きが遅れ、左足を噛まれてさらに負傷。食いちぎられる前にミカサがカット。すんでで意識が戻ったコニーが慌てて拾い上げましたが兵長はもはや立てるかどうかも怪しい状態。それでも巨人の群れは容赦なく湧き出し、包囲の輪を狭めてきます。絶体絶命の場面でミカサは雄々しく吠え立てますが、その叫びは途中で何者かに邪魔だと遮られてしまいました。

「捕まって!!」

声の主は…飛行艇出発前に整備基地で別れたはずのアニ・レオンハート。見たことのない巨大な鳥の背に乗り、ガビとともに予定通りの登場です。全員ボロボロなのに難なく鳥の背に飛び移って窮地を脱出。さすが立体機動で訓練しているだけはありますね。

僕は前回こんなことを書きました…。

そして次の次くらいの回で、始祖に追い詰められ全員が膝をついたところへ空飛ぶファイティングファルコがさっそうと駆けつけ、むき出しのジーク本体へガビがライフルでズドンと決めてくれるはず

次の次くらい…どころか「次の回」でもう登場かよこの野郎!タメがなさすぎて全然ありがたみがねえぞこの野郎!!登場人物が「アニ!!」って面食らってますけど僕も同じ顔してますよええ。

「本当に飛ぶからもう行くしかなかった…」ってオイ!何の設備もなく手綱一本でずっとファルコの背中に乗って4000kmだか5000kmだかを飛んできたんかワレェ!?

車力が砲塔を背負ってた時みたいに、複座のコックピットみたいなのをつけてくるかと思ってたんですよ僕は。輸送船にあった予備パーツを急造でくっつけた、みたいな。まさか「ニルスのふしぎな旅」方式で生身むきだしのまま何千キロも飛ぶとは想定外にもほどがあるw

風防も防寒着もない状態でどれくらい高度や速度を保てるのかわかりませんが…仮にファルコがツバメと同じ170kmで巡航できるとして、5,000km進むのに30時間。その間、乗ってる人は居眠りも食事もトイレもできずじっとしがみついたまま風圧に耐えているわけですか。それで合流時にはかなり平然とした顔。「巨人だから平気」で片付けようにもガビが同乗してるし…。このフライトはここ最近の展開で一番仰天したと言ってもいい。海外旅行で快適な飛行機に乗ってても10時間やそこらのフライトですら辛いですからね普通に。

 

さてリヴァイのダメージが増し、雷装はほぼ在庫切れ、立体機動装置もガタガタ、切り札兼軍師のアルミンを欠くというやべー状態で、新たに増えた戦力はファルコ(飛行ユニット)、アニ(格闘ユニット)、ガビ(人間・射撃ユニット)の3名。相手は中ボス級が無限湧きなので正面から行くと負けイベント確定。トリッキーな策での攻略が必要になります。鍵となるのはアルミンの意識下で接触したベルトルトかな? アニがここに来たことでアルミンとベルトルトがめちゃ強化されてスパロボばりの合体技が解禁されるかも。

アルミンの洞察(=作中では必ず当たる予言)によると巨人による妨害は始祖ユミルの意志でエレンの意図ではないとのことなので、ユミルの動機(人類への恨み?)をどう除くかが肝です。2000年も経ってると当時の人格は消失してすでにシステムと化している節が見えますので、よほどのインパクトがないと説得は難しそうですが、愛とか命とかそういうなんか素晴らしい系なんですかねえ…。

つづく

 

広告

別冊少年マガジン(毎月9日発売)で連載中、
「進撃の巨人」のネタバレ感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方はご注意下さい。

※フラゲ速報ではありません。本誌発売日の夜に更新することが多いです。

Return Top