累計部数2800万だそうで、どこの書店に行っても大量に平積みされコミックコーナーの一角を占拠している進撃の巨人。
原作本編のコミックス12巻がDVD付きで発売されたわけですが、50話の最後に4ページほどエピソードが加筆されています。
12巻は拉致されたエレンを取り戻すために猛追する兵団混成部隊vs鎧の巨人&ユミルの死闘が繰り広げられるハイスピードかつハイテンションな展開。
簡単におさらいすると、ユミルはこの世界の「先」を知っていて、クリスタをその未来から救い出したいと思っている。
そのために自分の身に致命的な危機が及ぶと知ってなお、自発的にライナーたちに同行している。
エレンが発した「座標の力」らしきものを目撃し、この世界にもまだ別の可能性が残されていると知る。
エレン奪還を果たしたミカサやクリスタらとともに街へ帰るかと思われたが、エレンが操った巨人からベルトルトを守り、そのまま壁内へは戻らなかった…
だってユミルがそのまま兵団に戻ってきたら全部の謎が解けちゃうもんね!
と、ここまでが連載時の内容ですが、この後ライナー、ベルトルさん、ユミルがどうなったのか?
その断片が描かれています。
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第50話 叫び コミックス加筆シーン
日没後、廃都シガンシナに彼らはいました。
この街の現在の様子が描かれたのは初めてです。
当然無人の廃墟であり、壁の崩れた民家をつなぐ街路には雑草や低木が茂っています。
巨人の姿は見当たりません。
かつて超大型巨人が蹴破った街門の壁上、肩で息をしながら座り込んでいるライナー、ベルトルト。
目に涙を浮かべ、仰向けで悪態をつくユミル。
なんで俺達についてきたんだとライナーが当然の疑問を口にすれば、ユミルはいつもの軽い調子で流します。
「里帰りのおみやげになってやってんだよ」
「手ぶらじゃお前ら帰ってくれねぇだろ」
このまま彼らと共に行けば助からないと念を押すライナー。
ユミルはもう疲れたと返し、自分のことなんかもうどうでもいいといった様子。
唯一の気がかりだったクリスタの身をエレンが座標の力で救ってくれる、そんな未来を描くことができたからでしょうか。
エレンが操った巨人に襲われたベルトルトをユミルはかばい、そしてそのまま兵団へは背中を向けた…。
理由を問うベルトルト。
ユミル「お前の声が聞こえちまったからかな・・・」
これはジャンやコニーに詰問されたベルトルさんが「誰か僕らを見つけてくれ」と落涙したことを指しています。
「お前達の境遇を知ってるのは私だけだしな… 私も同じだよ…自分じゃどうにもならなかった」
巨人の姿のまま、60年間壁の外をさまよっていたというユミル。
彼女だけはベルトルト達の境遇も深い孤独も理解していて、自分の身を供してやってもよいとまで考えています。
ユミルの言葉に涙をにじませ、感謝を口にするベルトルト。
「女神様もそんなに悪い気分じゃないね」
ユミルは仰向けのまま、夜空の明るい真円へ手を伸ばすのでした。