進撃の巨人 ネタバレ考察

(61)終幕

「終幕」…ついに進撃の巨人も打ち切りか。長いようで短かったな…「エデンの檻」の打ち切りは酷かった…ハデスさんどうしたんだろ…などと感慨にふけりつつ、苦い珈琲を片手に朝から別マガを読む私でありました。

さて巨人がさっぱり登場しない最近のストーリーです。状況をおさらいしておきましょうか。

  • 政府はエレンの座標の力(叫びで巨人を操れる能力)が欲しいので身柄を狙っている。
  • それを逆手に取ってレイス卿(ヒストリアの父。実は本当の王)に近づき制圧、クーデターを起こすのが調査兵団の計画だった。
  • クーデターはヒストリアを即位させ、壁や巨人の謎・世界の真実にアクセスすることを目的とする。情報を公開するかどうかは見てから決める。
  • その計画はバレていて、協力者のリーブス商会は中央憲兵のケニーたち対人戦闘部隊によって皆殺し。その殺人の罪は調査兵団に着せられてリヴァイ班は指名手配。
  • 父リーブスを殺された息子のフレーゲルはハンジと共に新聞記者を利用し、今回の殺人事件は憲兵が仕組んだ狂言であることを明らかにした。
  • エレンとヒストリアはレイス卿の元へ運ばれ、リヴァイたちが奪還を目指している。
  • 調査兵団長のエルヴィンは次期団長にハンジを指名し、自らは憲兵の出頭要請に応じて玉座の前に引き出された…。

進撃の巨人 第61話 終幕
別冊少年マガジン2014年10月号掲載

最期の演説

鎖で繋がれたエルヴィンは人生最期の演説を披露していました。

調査兵団を解体すれば巨人に対抗する戦力は失われ、攻め入られた人類は内戦で滅ぶ。必要なのは壁ではなく戦う意志であると。

それを黙して聞く王(※傀儡)と取り巻きの上級貴族たち。彼らはリヴァイが街中でケニーの部隊と交戦し憲兵を殺害して逃亡した事実に触れ、調査兵団が政府に敵対する意志は明らかと糾弾。反論できないエルヴィンはその場で絞首台へ引き立てられます。なんとスピーディーな裁判。エルヴィンもこれで退場か、未来は若者が手にするものということなのかな…少年漫画だし…。

火急

そこへ扉を乱暴に開け放って駆け込んできた伝令。

超大型巨人と鎧の巨人によりストヘス区の扉が破られ、ウォールローゼのエリア内に巨人が侵入したとの報。

ただちに住民の避難を支援するよう命令を出すピクシス。それを一喝し、シーナへの難民流入を阻む貴族。

彼らは自らの食い扶持を守るため、ローゼの住民をシーナへは受け入れないことを即断。ローゼに住むのは全人類のほぼ半数にあたり、それを受け入れる余裕はどこにもありません。ウォール・シーナの中に残された土地と食糧ではすぐさま血みどろの内戦が起き、人と人の殺し合いが日常となるでしょう。

嘆息するように目をつぶるエルヴィン。伝令に目配せするピクシス。

貴族たちは集まってヒソヒソと内緒話に夢中ですが、傀儡の王はここでも頬杖をついて黙ったまま。これまで一言も話していません。一体何を考えているのか…。

内緒話 

さて貴族たちの内緒話ですが、気になることを言っています。ちょっと盗み聞きしてみましょう。

「クソ…まさかこのような時に壁が破られようとは…」

「しかし…不幸中の幸いであろう」

「我々は今かろうじて手段を手にした」

「あの方がそれを手中にするまで数日の辛抱であろう」

「ああ…焦るでないぞ」

「今は民意に囚われる必要はない」

(略)

「皆誰しも同じ思いであるのだ…あと数日さえ乗り切れば何とかなる…」

漫画でよくあるパターンとして、この手の取り巻きは真の力を手に入れた黒幕にあっさり見捨てられゴミのような扱いで死ぬことが多いですね。

手段というのはエレンの「叫びの力」のこと、「あの方」とは本当の王であるレイス卿のことでしょうから、彼らの目的はやはりエレンの力を手に入れることだと推察されます。

ハンジの考えによると、エレンの力は捕食によって人を渡っていく。肉体は器にすぎず能力そのものは譲渡が可能である。ユミルが60年壁の外をさまよった後、ライナーの仲間を食って人間に戻れたということから導いた仮説です。まあ説明役のキャラが言うことなので多分それで合ってるんでしょう。

つまり、レイス卿が求めているのはエレンの力であって、エレン本人はどうでもいいということ。エレンを別の巨人に食わせて能力を取り出せばよい話。

レイス卿の手持ちの巨人とは…?

  1. 実は自分が巨人
  2. ヒストリアが巨人、もしくはこれから巨人化させる
  3. アニ
  4. 新キャラ
  5. コニーの母ちゃん
  6. 巨人に食わせる以外の抽出方法がある

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ライナーもベルトルトもユミルも巨人。コニーの母ちゃんも巨人。もう今さら誰が巨人でも驚きませんよ!そう、例えヒストリアが獣の巨人のような毛むくじゃらな姿になったとしても…驚くわ!

8巻以降ずーっと出番のないアニさんもそろそろ復帰して欲しいんですけど、結晶化してからの所在はよくわかってません。しれっと出てきてくんないすかね~。

巨人に食わせる以外の方法があればいいんですが、それがないとすると「じゃあエレンは巨人化してから誰を食べて人に戻ったの?」って話になって、私は父であるグリシャを食ってるんじゃないかと思うんですよね。 その説を成り立たせるためにはグリシャもまた巨人だったことになりますが(食べるのは誰でもいいわけじゃなく、巨人の力を持っている相手に限る)…。

それは一旦置いといて。エレンを巨人にしたのがグリシャの注射だったとすれば、割と簡単に巨人にすることはできる。例えばレイス卿が自分に注射するとか、ヒストリアに注射するとか。もっと従順な腹心の誰かとかね。で、すぐにエレンを捕食して人間に戻る。力はエレンから継承される。

いずれにせよ、レイス卿はエレンから力を手に入れる。その後は?

貴族たちの口ぶりからすると、数日耐えれば万事解決のように考えています。

宗教チックに「世界のすべてが浄化され、人類が次なるステージへ登る」といった大仰なパラダイムシフトを期待している感じには見えません。どっちかっていうと「すごく強い用心棒が手に入る」くらいの俗っぽさです。

エレンは座標のルールがわかっていないので、せいぜい「目の前の敵を周囲の巨人に襲わせる」くらいの使い方しかできなかったのですが、理屈をわかっていればもっと大掛かりな戦術兵器として利用できるのかもしれませんね。原理が叫びという音声伝達だとすれば肺活量に効果が左右されるという不安定さが残り、レイス卿が作る新世界では「声がでかい奴が偉い」という価値観が生まれるでしょう。

茶番劇

さて話がそれました。ウォール・ローゼを見捨てる決断をした貴族たち。そこへ姿を表したのはダリス・ザックレー総統。全ての兵団を率いる頂点のオッサンです。

彼の口から出た言葉によると、先ほどの巨人襲撃は誤報。壁内は平穏無事とのこと。ポカーン。

そうです、これは全てエルヴィンやピクシスらが仕組んだ芝居。貴族の本性をあぶり出し、人類の命運を託すにふさわしいかどうか試したのです。結果、ノブレス・オブリージュ(貴族の責務)を果たすつもりのない欲ボケどもには退場頂くことになりましたとさ。

ちょうどその頃、フレーゲルとハンジの働きによって暴かれた中央憲兵の悪事が号外として配られていました。フレーゲル自身やサネスの証言もスクープとして載せられており、兵団の武力による王都制圧とともに民衆の扇動もうまく行ったようです。結局、ドヤ顔記者のロイはこっちを選んだわけですね。

進退窮まった貴族たち。

起きろおいぼれ!

いつも物憂げな面持ちで黙っていたフリッツ王、実は頬杖で寝ていただけ! こっちのほうが衝撃のスクープ。どういう人選で傀儡になったんだ…?

革命へと歩を進めたエルヴィン。しかしその表情は暗く、これから先の人類が歩む苦難の道を思いやっているのでした。自分の頭で考え、自分の足で歩くのは大変なエネルギーがいることです。家畜の安寧を望む人だって大勢いることでしょう…。

リヴァイ班

革命の狼煙はハンジらによってリヴァイ班にも伝えられました。疑いが晴れ正当防衛によりお咎め無しとの沙汰が下ったリヴァイ班は飛び上がって喜びます。

どんな手を使ったんだ?尋ねるリヴァイ。

「一人一人の選択がこの世界を変えたんだ」

ハンジは満足そうに笑います。

 

進撃の巨人が発するメッセージは明確で一貫性があります。他者に自分の運命を委ねず戦って勝ち取ること。何かを失うとしても自分の信じる道を選択すること。一言で表すと「当事者意識を持って主体的に生きよう」に尽きます。

私たちは普段どうにもならない現実を前にしたとき、どう振る舞っているでしょうか。政治や経済、社会、国際といったニュースを見て義憤を感じることがあっても、自分には関係ないと他人事のように捉えてしまう。進撃の巨人を読んでいると、私達の生活に存在する壁…自分を閉じ込めたり守ってくれたりする現実…にどう向き合うべきなのか、なんて考えてしまいますね。(※嘘です。全然考えてません)。

 

今回もミカサに存在感なし!

続く

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別冊少年マガジン(毎月9日発売)で連載中、
「進撃の巨人」のネタバレ感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方はご注意下さい。

※フラゲ速報ではありません。本誌発売日の夜に更新することが多いです。

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