班員たちが無残なボロクズと化した様子を静かに眺めるリヴァイ。
もう慣れっこなのでしょうか、「ああ、お前もか・・・」とでも言いたげな顔で、遺体に特に近づくでもなく確認だけして去っていきます。
一方、女型とミカサは・・・?
さすがミカサです。逃亡する女型をメッタ斬りに刻み、その顔は巨人の返り血で染まっています。
逃走する女型も必死の形相で、これまでの落ち着き払った様子ではありません。やはりミカサを別格の脅威と捉えたようです。
女型が硬質化できるのはうなじ周辺だけのようで、腕や足は切られるままに任せています。アキレス腱を切られて倒れる女型。
ミカサはエレンの生存を確信し、なんどもうなじめがけて斬りかかりますがここは硬質化に阻まれます。
どこにいたってその女殺して・・・体中かっさばいて その汚いところから出してあげるから
ごめんねエレン もう少しだけ 待ってて
さすがミカサ、エレンのためなら覚悟が違います。尋常ならざる目付きで女型を睨みつけます。敵に回したくない女大賞の本年度NO1!
他にはブラックラグーンのバラライカやロベルタがノミネートされます。
リヴァイが合流し、一旦距離をとって作戦会議。ミカサはリヴァイが審議会でエレンをボッコボコにした恨みを忘れておらず(エレン本人は恨んでいないのですが)、不信感を持っているようです。
数瞬、何事かを考えこむリヴァイ。彼の判断は「女型を仕留めることは諦め、森を抜ける前にエレンを救い出す」。
「俺がヤツを削る お前はヤツの注意を引け」
人類最強、一個旅団(数千人)の戦力に匹敵すると謳われたリヴァイ。
兵士100人と等価、歴代最高の素質と称されたミカサ。
人類が持つ最高の兵士二人の共闘です。
バキでいうとアントニオ猪狩とマウント斗羽が並んで戦っているような・・・
信長の野望で配下にした信玄と謙信を一緒に使っているような・・・
要するに安心して全てを任せられる豪華カードということです。
リヴァイの戦闘速度は凄まじいの一言で、まさに旋風。一瞬で腕を駆け上り両目を潰し、全身を切り刻んで女型をその場に倒しました。
さすがのミカサも驚嘆。返す動きで今度はうなじを守る右腕に集中砲火。ガードが下がります。
それを機と見たミカサ。リヴァイの制止をきかず、独断でうなじに斬りかかりますがこれは女型の狙い通り。
ミカサの接近を察知した女型は迎撃で叩き落とそうとしますが、リヴァイがそれを膝蹴りでカット!・・・え?膝蹴り?
巨人の手首のスナップは小柄なリヴァイの体重で止められるほどに軽いのでしょうか・・・?
リヴァイの膝が「ビキ」と音を立てます。ちくしょう、アバラが2本いかれやがった・・・いえ、アバラじゃなくて膝です。
そこを歯を食いしばり最後の攻勢に出るリヴァイ。目の見えない女型の頬を切り裂き、エレンを救出成功!!
エレンを抱えて逃走です。
「もうヤツには関わるな・・・撤退する」
「作戦の本質を見失うな 自分の欲求を満たすことの方が大事なのか? お前の大切な友人だろ?」
「ちがう ・・・ 私は・・・」
ミカサは何を言いたかったのでしょうね。「お前は巨人を殺すことに快感を覚えるドSだが、今はエレンを守るのが先だろ?」というニュアンスに対しての反発でしょうか。
振り返って様子を確認するリヴァイ。女型は・・・泣いていました。眼球を潰された反射なのか、それとも何か別の意味があるのか。ともかく、もう追ってくる気配はなさそうです。
エレンが目覚めた時、彼は壁に帰還する馬車の上でした。出発からわずか半日。壊滅的な損害を受け、失意の帰還です。
それはエレンたちがかつて幼い頃に見た、「英雄」の凱旋そのものなのでした。
今回の遠征の失敗により、エルヴィンを始め責任者は王都へ召喚。
エレンの身柄は憲兵団へ引き渡されることになります・・・。
何一つ成果のない、完全な敗北。生きてさえいれば機会もあるでしょうが、リヴァイ班を始め多くの人間が死にました。
失敗したからと言って何度も挑戦できるようなものではありません。
これから先、物語はどんな軸を中心に展開するのでしょう・・・。