847年。作中ではシガンシナ区壊滅から2年後、エレンが訓練兵団を卒業する3年ほど前のことです。
農地の開墾に従事するエレンとミカサ。周囲の大人曰く「今年訓練兵を受ける年」だそうで、この発言から兵士としての訓練がおよそ3年間だと分かります。
訓練兵団に入団した初っ端の「通過儀礼」の様子、104期生たちの初々しい様子が描かれています。
もっとも、2年間にシガンシナ区で地獄を見た者たちはすでに通過儀礼が必要ないほどの面構えになっていますが・・・。
特筆すべきはサシャが教官の前でイモを食べていることで、なんと4ページにも渡ってサシャと教官がイモについてやり取りする様子が描かれています。教官に呼ばれても構わずにイモを食べ続けるサシャ!教官はあまりの出来事に呆然とし、なぜイモを食べるのかわからないという体です。サシャもなぜイモを食べることが疑問なのかわからない、冷める前に食べるのが当然だろという様子で、全く噛みあっていません。しばしの沈黙の後、サシャは何かを察した様子。チッと舌打ちをすると、イモを2つに割り、片方を教官へ差し出しました。この子、間違いなく大物です。
結果として5時間以上ぶっ通しでマラソンさせられることになった上、今日の食事が抜きになったサシャを見ながら班員たちはディナータイム。
シガンシナ壊滅の「あの日」の話になります。実際にあの日を経験したのはエレンやミカサなど一部の子だけで、他の地区の子たちはエレンの話に興味津津。結構呑気です。
ジャンはこの時からすでにエレンとは対立を始めます。
調査兵団志望なんて正気か?怯えながら勇敢気取りやがってと露悪的な物言い。エレンも挑発されて頭にきたようですが、ここはジャンが折れて自分は単に正直なだけで、エレンを否定するつもりはないと謝罪。ポンと互いの手を叩いて丸く収めました。ディナータイム終了で、それぞれ部屋に戻ります。
とその時ジャンの前をミカサが通り過ぎますが、ジャンは思わず呼び止めます。よっぽど可愛かったんでしょうね。
「あ・・・あぁ えっと・・・見慣れない顔立ちだと思ってな・・・つい・・・」「すまない・・・とても綺麗な黒髪だ・・・」
ミカサはハーフですが東洋人で、この世界では珍しいのです。立ち去るミカサの後ろ姿をみつめるジャン。完全に一目惚れです。
が、ミカサが歩み寄っていくのはエレンのところ。イチャイチャし始めました。ジャンが褒めたばかりの黒髪も「訓練に邪魔だから切れ」と言います。ミカサもエレンが言うなら・・・といった感じで髪を切ることに同意。こんな様子を見せつけられたら誰でもダークネスな気分になると思いますが、ジャンは殊更のようで、先程エレンとタッチを交わした右手をコニーのシャツでズリィィィィと拭います。異性絡みの嫉妬という分かりやすいファクターでエレンを憎むようになったジャン。
ここで分かったのはトロスト区戦のジャンのセリフ「こんなことなら・・・いっそ言っておけば・・・」これが「ミカサに告白しとけばよかった」という意味だったことですね。
夜遅くまで走らされたサシャ。さすがにフラフラです。走ったことより晩飯を食べてない事が原因のようですが。
空腹と疲労で路上に倒れこむサシャ。そこへパンと水を持って現れたのはクリスタ・レンズ!もう描かれ方が美少女すぎます。間違いなく本作で最高の美少女。
神様!と感謝するサシャですが、そこへ近づいたのはソバカス顔の訓練兵女子。クリスタのやってることは偽善でイラつくというような事を言いながらも、サシャは都合よく利用できそうだと判断。貸しを作って恩を売ろうと考えます。
翌朝の訓練。腰からロープでぶら下がりバランスを取るテストです。
これによって立体機動の適性を見るのだとか。
ミカサとサシャは余裕の表情で難なくクリア。コニーとジャンも若干ぎこちないながらも無難にOK。
主人公のエレンはというと、いきなり脳天から真っ逆さまで宙吊り。教官には何をやってると怒鳴られる始末。
同期には指をさして笑われ、ジャンは愉快そうな顔で見つめ、アルミンとミカサはドン引き。さっそく開拓地へ送り返されるのか、エレン!