前回の記事の続きです。
ライナーとベルトルト、二人のこれまでの行動を振り返っておさらいしてみます。
彼らは一体これまでどのような発言や行動をとってきたのでしょうか?
なお、当然ながら物語の核心に触れるネタバレを含みます。
未読の方はご覧にならないことを強くおすすめします。
(コミックス既刊9冊分+別マガ2013年3月号まで)+22巻までの内容を踏まえて追記しました。(2017/04)
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5巻
・エレンの裁判→リヴァイ班へ
・壁外調査へ出発
などが主な内容です
エルヴィン団長による、調査兵団の新人勧誘演説。
巨人攻略の秘密は地下室にあり!との極秘情報をやすやすと公開する団長。ライナーも思わず釣られちゃいました。
結果的にアニは憲兵団へ、ライナーとベルトルトは調査兵団へ行くことになりました。アニは王都で「始祖の巨人」の情報を探り、野郎2人はエレンを監視、隙あらば身柄を奪取する算段。背中越しにアニを見送るベルトルさん。いくら好きだからって、見すぎです。
6巻
最初から最後まで女型の巨人づくしの6巻です。
あいつは巨人の体をまとった人間だ!
女型の巨人の正体をあっさり看破するアルミン。
ライナーも(やべえよ・・・簡単にバレてるじゃん)と冷や汗が頬をタラリ。
アルミンいわく、「食うため以外に殺すのは巨人の本質と異なるから」だそうです。頭良すぎ!
いわくつきの伏線シーン。
この時陣形内のエレンの居場所を確認し、それを女型の巨人に伝えた奴がいた!
誰だ? 誰だ誰だ誰だ・・・ ライナーだ!
ライナーさんも陽動にひっかかってないで、少しは自分で考えてください。
その後女型に斬りかかり、あっさり捕まった挙句握りつぶされそうになるライナー。
八百長にしては骨まで軋んで眼球飛び出しそうになってますけど。女型の絶妙な力加減が光ります。
まあライナーは顔面ふっとばされたくらいじゃ死なないですし、記憶を巨人の神経系にバックアップしてリロードするとかSFチックな最終手段まで持ってますけどね。
ちなみに「進撃の巨人」では巨人に手でキャッチされて生き残る人はほとんどいません・・・。
女型の手の平に刃でメッセージを刻みつけ、それを隠すためか急いで撤収するライナー。
この直後、女型の巨人はエレンのいる方角へ向けて転身。
なぜ? なぜエレンの居場所がわかったの?
→ライナーが教えていたからでした。
7巻
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この巻もほとんど女型との戦い。
リヴァイ班が壊滅してエレンが捕まるもなんとか奪還し、手ぶらで街に帰ったとこまで。
ほとんどが女型とエレンやミカサの戦いで、その他のメンバーはあまり出て来ません。
女型を捕獲するため森の奥で拘束兵器を発射する轟音を聞き、訝しむライナー。
久しぶりに喋ったと思ったら「ごめん・・・知らない」だけのベルトルさん。
ユミル同様、重要なキャラは徹底して存在感が脱臭されています。
出番これだけ!
8巻
女型の正体が発覚→街中での捕獲作戦が中心。
エレン、ミカサ、アルミン、ジャン以外の104期は
巨人の内通者の疑いありということで離れた施設へ軟禁されています。
もしかして自分たちが疑われているのか・・・? 焦燥と疑念がにじむライナー。
ちょっと騒ぎを起こして監視役の反応を伺ってみようか、とコニーの脱走計画に加担を申し出たりしています。
巨人の足音が聞こえると叫んだサシャ。
「はあ?バカ言ってんじゃねえよ、俺が壁を破ってないのに誰が穴を開けるんだよ?」と言いたいのをこらえて客観的な意見を述べるライナーでした。
巨人が攻めてきたぞー! 急いで逃げてー!
ミケさんは「他から巨人が攻めてきたから104期に巨人はいない」と結論づけたようですが、それって正しい論理なんでしょうか?
実態はご覧のとおり、巨人のバーゲンセール! 今見るとかなり笑える集団です。
9巻
壁の穴探し→コニーやサシャの村→ウトガルド城到着、巨人の襲来まで。
なお獣の巨人襲来~ウトガルド城の戦いまで、ライナーは演技性の人格障害を起こしている真っ最中。自分が壁内に災厄をもたらした「鎧の巨人」であることを忘れて調査兵団の兵士になりきっていたようです。
その人格障害が発作的に起こるものなのか、継続性して徐々に侵食していくタイプなのか、ハッキリとは分かりません。なのでライナーが話していても、それが戦士としての言葉なのか、兵士としての本心なのか、傍から判別するのは困難です。
一応ベルトルトは「ライナーは昔は戦士だったが、今は違う」と発言していましたので、時間経過によってライナーの本来の人格が薄れつつあり、基本は兵士モードになってしまったと考えるのが妥当でしょうか。
ですから僕はライナーが兵団や街を心配するのは演技やごまかしではなく、本心から行動していたと解釈しています。
ガタッ。壁が破られたと聞いてライナーとベルトルトも困惑。
「え? お前、やった?」「やってねーし」「じゃあ誰が?」「知らねw」という内容を瞬時にアイコンタクトしているようにも見えます。(※ライナーが正気だった場合)
ベルトルトはライナーの精神状態を重く見ており、単独で行動させるのは危険だと考えているのでしょう。二つ返事で同行します。
生まれた村が壊滅しており呆然とするコニー。言葉が見つからず、黙って肩に手をかけるライナー。男の友情です。完全に茶番ですけども。
ベルトルトは何も言いませんが「俺らがその元凶だろ・・・このままじゃライナーの精神がヤバいな・・・」と不安に思っている様子。
巨人が母親に似ていると気づいたコニーを強い調子で叱咤し、動揺を打ち消させようとするライナー。
ライナーが「鎧の巨人」であったことが判明し、この場面は「村の人間が巨人化していることを気づかれたくないから強引に巻き取った」と読む人が多かったのですが、その後さらにライナーの人格障害が明らかになったことで、これはやはり純粋にコニーを励まして余計なことを考えさせないように気遣ったのではないか、と再評価する向きが(僕の中で)起こりました。
意図はともかくライナーの言っていることは正しいしカッコイイですね。
ウトガルド城に着いて人心地つけたところで、コニーが村の件を蒸し返しました。茶化してうやむやにしたユミルに礼を言い、「その調子で続けて欲しい」と頼むライナー。
やはりライナーはコニーにそのことを公言して回って欲しくない、と捉えるほうが自然かも・・・。
ユミルはユミルで巨人ですし、ライナーとは違った角度から結果的にライナーと同じことを考えているのかもしれません。
この缶詰のラベルが読めたのはユミルだけということになっています。
ライナーは本当に読めないのか、一般人を装うために読めないフリをしているのかは分かりません。
またニシンは海水魚ですから「進撃の巨人」の舞台である壁の中では捕ることができません。海をはじめ壁の外に関する情報は禁制ですから、図鑑などで知ることもできないはず。そのため海水魚はその存在自体が知られていないのです。
(A)にしんという言葉の意味がわからず、文字も読めない
(B)にしんという言葉は知っているが、文字は読めない
(C)にしんという言葉も知っていて文字も読めているが、知らないフリをしている
(D)にしんという言葉の意味は知らないが文字は読めていて、読めないフリをしている
人格障害の件も踏まえると、ライナーの状況はなかなか複雑です。
この時のライナーが「兵士人格」なら、答えは(A)です。「戦士人格」なら恐らく(C)。明言されてはいませんがここに滞在していたのは「獣の巨人」の本体・ジークと思われ、大陸産の酒や缶詰が常備されていたわけですから、本来であればライナーも文字を読めるはずだし、ニシンも知っているはずですよね。
ユミルはこの時点で巨人化能力が明らかではないため、戦士ライナーから見ればただのパラディ島民にすぎず、素性を知られることがあってはなりません。ですから仮に文字が読めてニシンを知っていたとしても、それが露見してはならないのですが、じゃあなぜ単なるパラディ島民のユミルがマーレ文字を読めて海水魚を食べ慣れているような発言をしたのか・・・? それに気づいて互いにハッとしたのがこの場面ではないでしょうか。
予想より長くなったのでさらに続きます→つづき