進撃の巨人 ネタバレ考察

(49)突撃

エレン、ユミル、クリスタを故郷へ連れ帰ろうとして逃走中の鎧の巨人たち。その奪還を目指し追撃する調査兵団。

かつて「最善策では巨人に勝てない」ことを学んだエルヴィンがとった作戦は、自らの部隊を囮に巨人の群れを呼び寄せ鎧の巨人へぶつけることだった・・・! 

「進撃の巨人」第49話 突撃
別冊少年マガジン2013年10月号掲載

茜空の下の地獄

猿ぐつわを噛ませたエレンを背負うベルトルトを首元へ、クリスタを背負った巨人ユミルを背中へそれぞれ載せ、首を両手でガードしたまま走る鎧の巨人。その後方からは調査兵団の追撃部隊が迫り、行く手からはエルヴィンが誘導してきた巨人の群れ。

鎧の巨人は強烈なタックルで巨人の何体かを弾き飛ばすも、多勢に取り憑かれてスピードを殺され、その動きを止めます。無数の巨人の群れへ吠えるライナーとユミル。 

巨人と巨人が争う様を見てジャンは地獄かとつぶやきますが、エルヴィン団長は地獄はこれからだと否定します。彼の口から出た命令は「総員突撃」。エレン奪還を唯一絶対の目的とし、心臓を捧げよ。エレンの力なくして人類の勝利はありえない・・・! 

調査兵団は巨人との交戦経験に長けているとはいえ、基本は長距離索敵陣形による個別撃破。巨人の群れに集団で突っ込むという自殺じみた場面は想定外で、さすがの団員たちにも動揺が走ります。

先頭を切ってエレンを目指し馬を駆るミカサ。それに続く同期たち。その先には凄惨な光景が待ち受けているに違いありません・・・。

 

巨人の群れにしがみつかれ身動きができない鎧の巨人。一旦首元のガードを解き、両手を使って巨人を排除すべく攻撃を開始します。あらわになったベルトルトとエレンの姿を確認するも、巨人たちをかいくぐってそこへ辿り着くのはあまりに絶望的な賭け。最初に巨人の餌食になったのは・・・先頭で指揮をとり号令を飛ばしていたエルヴィンでした。

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巨人に右腕を食われ宙吊りにされながら、彼はなお部隊へ進めと命令します。何かを手に入れることができるのは、何かを捨てることができる人だ・・・うなずくアルミン。エルヴィンは己の命を捨てて人類の未来を願った。

その願いに応え前進するミカサら調査兵団。巨人の群れに飲まれ次々と肉塊へ姿を変えていく中、メインキャストはまだ死ぬ場面ではなかったらしく巨人の第一陣を突破、

鎧の巨人へ肉薄します。 

ベルトルトを射程に捉え立体起動で襲いかかるミカサ。間一髪でかわすベルトルト。エレンの状態に気を取られたのか、ミカサは隙をつかれ雑魚巨人の右手に捕まってしまいます。ビキッと骨の砕ける音、悲鳴をあげるミカサ。ジャンの決死の救出で命は取り留めたようですが・・・。 

悪魔の末裔

ライナーは腕を盾にしてベルトルトを守っており、調査兵団はエレン奪還を果たせずにいました。ベルトルトへ声が届く位置に辿り着いたアルミンは頭の中で知恵を巡らせます。力押しでダメなら、他に何か状況を打開する材料はないのか・・・? 

「いいの?二人共・・・仲間を置き去りにしたまま故郷に帰って・・・」

顔色を変えるベルトルトと鎧の巨人の中のライナー。

<自分たち以外にも巨人側の仲間がいると知られている>この事実をライナーとベルトルトが知ったのはこれが初めてです。一瞬に種々の憶測が去来し驚きの表情になったのでしょうが(ついでにエレンも驚いているのがジワジワ来ますが)、アルミンの二の句は恐ろしいものでした。 

「アニを置いていくの? アニなら今・・・極北のユトピア区の地下深くで 拷問を受けてるよ」

読者の皆さんはお分かりの通り、これは嘘です。

女型の巨人であるアニはストヘス区で正体を暴かれて巨人化し、エレンと大立ち回りを演じた後で捕獲されるも自らが生み出した結晶の中に閉じこもってしまい、そのまま地下に監禁されています。このことは当然機密として秘匿されているわけですが、アルミンは独断による越権行為でアニの情報をカードとして切りました。彼は汚い嘘でベルトルトを騙し、動揺を誘うことで突破口を開きます。アルミンが望む結果を手に入れるために捨て去った代償は「尊厳」でした。 

アニがどんな拷問を受けているか詳しく語ろうとするアルミンに激高したベルトルト。

「悪魔の末裔が!!根絶やしにしてやる!!」

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彼が剣を抜きアルミンへ斬りかかろうとした刹那、注意が逸れた隙に飛び込んできた影。右腕の肘から下を失いながらも応急処置で戦線復帰したエルヴィン団長、その乾坤一擲の閃きがベルトルトの胸に血しぶきを舞わせます。

驚きと悲しみがないまぜになった表情で、自分を斬った相手を見やるベルトルト。阿修羅の相を見せるエルヴィン。勝負あり!! かつて巨大樹の森で女型を捕獲した際、「最善策」で女型を逃してしまった時とは対照的に、自らの命を賭けて本懐を成した団長。腕一本と引き換えに名誉挽回です。 

ベルトルトの受けた斬撃は一見してわかるほど浅く皮一枚といったところですが、彼がたすき掛けでおんぶしていたエレンを解放するには十分でした。たすきが切れて滑り落ちるエレン!それを抱きとめるミカサ! 主人公とヒロインの位置関係が逆な気がしますが、この二人らしい姿です。

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この場面で気になるのは、感情的になったベルトルトの口から出た「悪魔の末裔」ですね。情報が足りないのでニュアンスとして汲み取ることしかできないのですが、ベルトルトは現人類の先祖が行った何かしらの悪魔的所業を知っているようです。おそらくその結果として生まれたのが、巨人とその巨人に支配されるいびつな世界なのでしょう。

彼らはその仕組みを変えるため、元凶を断つために戦っているのだと思われます。現人類を皆殺しにしてでも手に入れるべき何かがそこにはあるはず。また感情を揺さぶられて咄嗟にこういう言葉が出るということは、ベルトルトは普段から内心では現人類を敵視していることも読み取れます。人間、売り言葉に買い言葉でうっかり口から出るのが本音ですからね。 

「積極的に人を殺したいとは思ってないけど、でも最終的には死んでも仕方ないよね? だって君たちの先祖はあんな酷いことをして、その結果今の君たちがいて、しかもその事を忘れて壁の中で惰眠を貪ってる。一方、僕たちは犠牲にされた。その真実も知っている。それに抵抗するために戦っている。決して好きでやってるわけじゃない。でも誰かがこの使命を果たさなきゃいけない、人を殺してでも「座標」を手に入れなきゃいけない。そのために大きく隔絶した「故郷」から来た。誰にも分かってもらえない孤独に耐えて。どの道この世界には先がない。だからどれだけ人が死のうが、結果として大きな問題ではないんだ」

まあベルトルトの頭の中はこんな感じに記号化されてるのではないかと思われるわけです。

過去との邂逅

エレン奪還とともに撤退命令が下され、遠ざかる追撃部隊。為す術なく見送るベルトルトと、いまだ巨人の群れの相手で身動きできないライナーとユミル。巨人ユミルを援護し立体機動で戦うクリスタを横からかっさらっていくコニー。

クリスタはユミルの「クリスタを連れて行かないと自分が殺される」というセリフを頭から信じているようですが、なんと同期で最も頭の鈍いコニーにすら、なわけねーだろ!と見透かされてしまいます。そう、ユミルの目的はクリスタをこの世界から救うこと。しかしクリスタだけ助けるなんて言ったところで彼女がそれに応じるとも思えず、ユミルはクリスタのお人好しを利用して同行を求めたのでした。 

調査兵団の追撃部隊が鎧の巨人らから遠ざかり、作戦完了は近いと思われたその時。部隊後方の木陰から巨人が降ってきました。ライナーが悪あがきで巨人を放り投げて進路を妨害しています。

その中の一体がミカサとエレンの乗った馬を巻き込み落馬。後ろ手で縛られたまま顔面から逝ってるエレン。ギャグ漫画かよw 巨人の力がなかったら死んでるかもしれません(次のページでは顔に傷ひとつなし!)。

ミカサは先ほど巨人にビキられた時のダメージが残っていてすぐに立ち上がれず。肋骨でしょうか。 

そこへズシズシと音を立てて近づく一体の巨人。ミカサとエレンはその巨人の顔に見覚えがありました。5年前、シガンシナでエレンの母・カルラを食ったあの巨人が再登場!

身動きができないエレンとミカサ。次号へ続く!

 

個人的な予想ではハンネスが出てきて今度こそ巨人と戦い過去と決別。できれば死なないで欲しいが退場の可能性も濃厚と見ます。

 

今月号はB5サイズのクリアファイルがついてます。

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図柄はアニメ版のリヴァイ班。あの回を見終えた後だと、なんとも言えない気持ちになりますね。

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別冊少年マガジン(毎月9日発売)で連載中、
「進撃の巨人」のネタバレ感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方はご注意下さい。

※フラゲ速報ではありません。本誌発売日の夜に更新することが多いです。

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