進撃の巨人 ネタバレ考察

(46)開口

エレンは鎧の巨人をサブミッションで追い詰めたものの、
断末魔の叫びに呼応した超大型巨人の落下ボディプレスにより形勢は逆転。
その後エレンとユミルは連れ去られ、ミカサらの追撃部隊は準備に時間を要していました。

鎧の巨人と超大型巨人は戦闘の場から離れた巨大樹の森で変身を解いて休憩中。
そしてエレンとユミルが目を覚まし、やっと情報を整理できる状況となるのですが・・・?

 

進撃の巨人 第46話 開口 (別冊少年マガジン 2013年7月号掲載)

 

巨大樹の上で


枝の上で意識を取り戻したエレン。
両腕は肘よりも上で切断され、蒸気を上げて修復中。
隣で先に目を覚ましていたユミルも似たような状況です。

ライナーとベルトルトを見るや、二の腕を噛みきって変身しようとするエレンですが
ユミルがそれを冷静に止めます。

理由は2つ。
現在地が壁から遠く、敵性の巨人がそこら中に群れており脅威であること
ライナーとベルトルトがエレンらから奪った立体機動装置をつけていること
闇雲に巨人化して暴れても勝算は薄いし、それだけの余裕はない。

さらにライナーが加えて言うことには、巨人の力は現在失った手足の修復に手一杯であり、
そもそも巨人化すらできないとと思われる。
例え殺しあったところで、弱った後に周囲の巨人に食われる恐れが強い。
だから巨人が動けなくなる夜まではここに留まるしかないのだと。

ユミルのいくつかの問いかけにもライナーは核心的なことは答えず、
「想像に任せる」「お前ならわかってるんだろ、ユミル」とはぐらかしており
読者はエレンと同じ目線で蚊帳の外。じれったい!

そこまで来てようやくエレンは「感情を抑えて情報をできるだけ引き出す」という考えに至ります。
遅いよ! ページ数を無駄にする前にもっと早く気づいて欲しかった。
とはいえ目の前にいるのが5年越しで憎み続けた母の仇、
と一言で片付けるにはあまりにも恨みが大きすぎる存在。
エレンや多くの仲間の人生を狂わせた大量殺人を引き起こした張本人で、
しかも同じ釜の飯を食ってきた仲間が実は敵だったという展開。
冷静でいろというのが土台無理な状況ではありますが・・・。

 

壊れたライナーの心


エレンが何から質問すればいいか逡巡している間、
ライナーは意外にも饒舌でした。

前日に巨人出現の報を受けてから飲まず食わずで働き詰めていることへの愚痴、
調査兵団の先鋭として臨機応変に状況に対処したこと、
ウトガルド城で協力して巨人に対抗したこと、
負傷したライナーをクリスタが優しく手当てしてくれたこと・・・。

あまりにも無邪気に、すでに失われた関係性・・・調査兵団の仲間として語るライナーを見て
感情を抑えると決意したばかりのエレンはすぐさま激昂。全然抑えられてませんでした。

ライナーはエレンがなぜ怒るか理解できないといった表情でしたが、
ベルトルトに諭されハッとして頭を抱えます。

ユミルの洞察によれば、ライナーはその実直で正義感の強い性格から
本来の戦士としての役目(壁を破壊し人類を皆殺しにする)と
兵士としての役目(壁と人類を巨人から守る)を割りきって両立させることが困難であり、
罪の意識から心の均衡を保つために心が分裂している。

そのため無意識に記憶が改変されていたり、話の辻褄が合わなくなることがあった。
ウトガルド城で巨人に襲われたコニーを身を挺して助けたのも、
彼の兵士人格での「本心」だった。演技ではない。

口調や顔つきがガラッと変わるような漫画的にわかりやすい多重人格ではありませんが
このちょっとのズレ、話の噛みあわなさ、
見た目は普通なのに決してわかりあえないという所がリアルな異質感を煽ります。

 

ユミルの視点


毒気を抜かれたエレン。戸惑いながらも訓練時代のことを問います。
宿舎のベッドの上、ライナーとベルトルトに身の上話をした時(4巻16話)。

超大型巨人のせいで母親が家の下敷きになり、エレンの目の前で巨人に食われた。
そしてエレンは巨人を皆殺しにすると誓った。その話を聞いてベルトルトはどう思っていたのか?

ベルトルトの答えは-。

 

激怒するエレン。怒鳴り返すライナー。
エレンさん感情を抑えてくださいお願いします。まだ何の情報も出てません。

見かねたユミルが口を挟みます。
ガキみたいに小さなレベルでいがみ合ってたら敵には勝てないと。
待ってました!エレンは目先の感情に振り回されているだけで大局が見えずキーキー喚くだけ。
全く情報を引き出してくれないのでここはユミルさんにお願いしたいと思います。

「なあライナー あの猿は何だ?」


やったぜユミル!ナイス質問。
「猿」とはミケの立体機動装置を奪いウトガルド城に現れた、人語を操る「獣の巨人」のことです。
見た目が手の長いオランウータンですからね。
ちなみにエレンがウトガルド城に来たのは夜が明けてからなので、
獣の巨人を見ていませんから「何だ、さるって?」とオウム返しです。もうお前は黙ってろ!

ユミルが言うにはライナーとベルトルトが目指している先に獣の巨人がいて、
それが彼らの「故郷」につながっている。
だから二人は獣の巨人の出現を目を輝かせて見つめ、
チャンスと捉えたからこそエレンとユミルをさらうという行動を起こした。

そして余計な所でエレンがしゃしゃって話の腰を折ります。もうやだこの主人公w
ユミルに敵の正体を問うエレン。ユミルは・・・

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おーいw ライナーさんなに邪魔してんすかw
人の話を遮らんといて下さいよホンマに!

というわけで敵の正体は「せ」です。
政府 聖職者 正社員 星人 性欲 請求書 西高東低 声優 制度
セーラー服 積乱雲 世紀末 世間 世界 節電 セロリ 世論 戦争 選挙
センター試験 洗濯 先入観 洗脳 先輩 専務・・・

敵になりそうなものはたくさんありますが、「そりゃ言っちまえば」という前置きから察するに
具体的な個人名などではなく、もっと大きな言葉・・・例えば概念や仕組みではないでしょうか。

 

またしても核心的な部分はわからず、ライナーに話の主導権を持っていかれます。
ああじれったい!

ライナーはユミルを自分の側に引き入れるため説得開始。
この世界には「先がない」。
そのことを知っているなら、クリスタを守るという点では掛け値なしに協力できるはずだと。
ライナーたちに連れて行かれたらまず助からない。
そしてライナー側についても身の安全は保証されない。
だが、ユミルの挺身があり協力すればクリスタに未来を与えられるかもしれない・・・。

眉間にシワを作り考えこむユミル。
エレンはまたも蚊帳の外。誰が主人公なんだこの漫画は。
再び敵の正体を問うエレンに、ユミルはもう答えませんでした。
説得工作成功か?

 

つづく

 

メモ


夜になると動けなくなる巨人と、夜でも動ける巨人。
その違いをユミルはおそらく知っている。
そしてユミルがそれを知っている、ということをライナーは知っている。
ユミルは「巨人の力について私も詳しく知っているわけじゃない」と言う。
だとすればユミルはなるべくして巨人の力を身につけたわけでなく、
事故や偶発的な理由によるものなのだろうか。
ライナーとベルトルトの幼年期の記憶(巨人化したユミルとそっくりな巨人に襲われたこと)
との因果関係はまだ語られていない。

 

猿巨人はミケと(一方的に)対話したときに初めて立体機動装置と剣の存在を知った様子で、
前からライナーたちと通じて情報提供を受けていたとは考えにくい。

また獣の巨人はミケに「同じ言語のはず」と語りかけていることから、異なる文化圏から来ていることが分かる。
単なる地理的な遠隔なのか、時間軸や次元といったファンタジーな要素なのかはわからない。
ただし「進撃の巨人」はそもそも第一話で「2000年後の君へ」という副題を冠し、
その冒頭シーンでエレンには記憶の混乱が見られることから時間軸の要素はあるのではないか?と疑われている。

ユミルによると猿巨人が今回壁の中に来た理由は「威力偵察」。
ということは当然その後に続く攻撃があるはず。本隊はどこから来る何者なのか・・・。

 

 

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今回一番印象に残ったのはエレンの「なあ?ベルトルト お前だよ・・・腰巾着野郎」の一言。
仲間だった頃からライナーの腰巾着だと思っていたが、そうは言わなかった。
敵になった途端に手のひらを返して「そもそもお前はよぉ」みたいな悪意のこもった人格批判。
こういう汚らしい描写が、この漫画がリアルで怖いと感じる所以です。

 

忘れられたアニ・・・
内地の地下で結晶化したまま眠っている女型の巨人ことアニ。
ライナーとベルトルトは、アニの正体がバレて街中でエレンと一戦やらかし捕まったことを知らない。
つまり今も普通に憲兵団の仕事をしていると思っているはず。
このまま二人だけで故郷に帰ってしまいアニを置き去りにするつもりなのだろうか。
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別冊少年マガジン(毎月9日発売)で連載中、
「進撃の巨人」のネタバレ感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方はご注意下さい。

※フラゲ速報ではありません。本誌発売日の夜に更新することが多いです。

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