進撃の巨人 ネタバレ考察

第60話 火種

グッズやらコラボやら、近頃は「進撃の巨人」絡みのエンタメニュースを目にしない日がありません。今度は上野の森美術館で美術展だそうで、もう何でもありですね。思いつくコラボ商品はすでにほとんど存在してるんじゃないでしょうか?

ちなみに当ブログの筆者は原作以外の展開にはあまり興味ありませんのでほとんど調べてません。 

コミックス14巻が発売されてますので、その続きから読めるよう59話との2本掲載です。

中央憲兵のアジト

ヒッチとマルロを懐柔し、中央憲兵の拠点である館を突き止めたリヴァイ達。闇に紛れて潜入し駐留する兵士たちの多くをわずか1ページで不殺のまま無力化するも、肝心のエレンとヒストリア、レイス卿は見当たらず。それにしても相手を殺さずに無力化するのは相当な実力差がなければ難しいと思うのですが、難なく1ページでやってのけるあたり、どれだけ調査兵団が精鋭なのか、もしくは中央憲兵がボンクラなのか。

とりあえず情報源としてヒゲが素敵な隊長格をひっぱってきたリヴァイ。お得意の拷問がおっぱじまります。とりあえずブーツのつま先で顔面キックは基本。前歯がへし折れ涙目で強がりながら調査兵団が追い詰められている事実を並べ、投降を促す隊長。リヴァイ班の面々も焦燥や不安の色が見て取れます(サシャとコニーは真面目な顔してますが理解してるか怪しい。ここ最近ずっと黙ったままです)。

眉一つ動かさず隊長の腕を折るリヴァイ。隊長はたまらず悶絶し、ケニー・アッカーマンのことは何も知らされていないと泣き叫びます。少々唐突ながらもアッカーマンの名を聞き、何事か思いふけるミカサ。リヴァイもケニーの姓は初耳だという顔をしています。

一緒に暮らしていたはずのリヴァイにも本名を教えていない用心深さと猜疑心。さすが殺しの達人だけありますが、プロフィールが盛られれば盛られるほどケニーの酒場ダイナミック入場は一体何だったんだと苦笑せざるを得ませんぞ。

拷問に夢中になっている間に、背の高い草むらに紛れ追手が周囲を囲みつつありました。「調査兵団はここで最期だ」隊長の呪詛を聞きながら、リヴァイが打つ次の一手は・・・

ストヘス区 新聞社

場面は変わり、その前日。前号でナイル・ドークの取材をしていた記者二人は夜の新聞社で頭を抱えていました。

今回の調査兵団指名手配について公式発表の報道資料が届いたものの、その中身は真実とは程遠い、ご管制の小説じみた宣伝ビラ。若手記者のピュレはいつから御用機関紙になったのかと嘆息しますが、先輩のロイはそんなもんとっくの昔からだ、慣れろと小さな肩でコーヒーをすすります。

長いものには巻かれ、世のシステムに黙って組み込まれるのが家族や財産を守る最善策。正義感から異を唱えたところで火だるまにされるだけ。自分を偽ってでも守りたいものがあった…ロイの自嘲に酔ったドヤ顔が癪に障りますね。

「かーっ、家族がいるからなーオレ、家族のために自分の信念とか曲げちゃったなー、どうどう?カッコ悪いだろ?家族のためにあえて自分を曲げちゃうオレってカッコ悪いだろー?(そんなことないです、立派ですよって早く言えよ)」

まあミサワ風もかなり古くなってきた感があって恥ずかしいんですけど、弱くてみっともない自分をあえてさらけ出しちゃうのが逆にかっこいいじゃん、やっと素直な一面が見れてあなたを近く感じるよ的なシチュエーションって漫画作品には多いんですよね。この場面はそういうのをコケにしていて私は大変気に入りました。ピュレはロイの自分語りをガン無視してるし。

ドヤ顔ロイとガン無視ピュレ

なぜピュレが先輩であるロイのドヤ顔シーンをガン無視していたのか?
その理由は彼の視線の先にありました。

机に腰掛けているのはハンジ・ゾエ。エルヴィンが拘束されている今、実質調査兵団をとりまとめている人物。登場初期の奇人研究者というキャラ付けが薄れ、いつしかすっかり理性的で落ち着いた風になってしまいました。

彼が手配中の身でありながらここを訪れたのは、ベルク新聞にある「ショー」を取材してもらうためでした。

フレーゲル

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場面変わって、日中のトロスト区・廃墟ブロック。

3人の憲兵がフレーゲル・リーブスを袋小路へ追い詰めていました。
フレーゲルはリーブス会長の息子で、ケニー達による襲撃をたまたま立ちションに出て唯一生き延びた人物。襲撃の結果会長らは殺害され、その罪を調査兵団がおっかぶせられているわけですが、事の真相を知るフレーゲルは当然口封じのために追われています。

壁際に貼り付き、最期に真実を知りたいと懇願するフレーゲル。憲兵は会長が裏切ってエレンらの誘拐を反故にし、調査兵団についたから殺されたんだと暴露。従業員も街の経済も見捨てて自分と家族だけで逃げれば助かったのに、馬鹿な奴だとあざけります。

これまで怯え惑っていたフレーゲルの顔に確信と決意の色が浮かび、父の教えに従って信用できる人間を選んだと言います。意味がわからず困惑する憲兵。その頭上から立体機動装置をつけたハンジたちによる急襲!

ライフル銃に向けて突進し右のカウンターを放つハンジ。はじけ飛ぶ憲兵のアゴ!たまにボクシング漫画的な描写になるのが進撃の巨人の隠れた楽しみです。

アゴにいいのをもらって地面に横たわる憲兵。これがハンジの仕組んだショー。憲兵の口から真実を語らせ、それを廃墟の住民たちに目撃させ証人とする…。そして、そこへ新聞記者を同行させる。目論見は全て叶いました。

弱者が束になったところで権力には何もできないと吠える憲兵。その顔の上に尻を下ろし、フレーゲルは父の後を継いで自分がこの街を守ると宣言。どうみても力量不足ですが、住民たちの故リーブス会長への信頼は厚かったようです。会長初登場時のご乱心(住民どもは死んでも俺の財産を守れー!)が嘘のよう。ほんとはいい人だったんだ!

物陰から一部始終を見ていたロイとピュレ。こんなことが許されていいわけがないと憤るピュレに対し、騒ぎを起こせば自分たちも消されると臆するロイ。壁の下を掘って行方不明になった鉱夫、その事件を追った者も行方不明。この世界では触らぬ壁にたたりなし。自分たちは所詮壁の中で王に活かされている家畜にすぎない…。ハンジが自分を脅して記事を書かせれば、その咎により家族諸共処刑されるだろう。ハンジに自分と家族を殺す権利があるのかと言い募るロイ。ハンジの答えは…?

保身のため職務の誇りを捨て、虚偽の中へ沈み調和を求めるロイ。
危険を顧みず無謀な一石を巨象の足へぶつけて転倒させようとするピュレ。

シナリオ的には後者を選ばなければ話が進みませんので、結果としてはそうなるでしょう。「まあいっか、今のままでも死にはしないし。昼寝しておせんべい食べてテレビ見よっと」という結末はストーリー型の漫画にはありえず、常に大胆な変革と成長による課題解決を求められてしまいます。で、それを自分と仲間の協力によって勝ち取っていくのが大前提なんですよね。

現実社会の我々はほぼ全員がロイです。おかしいと思っていても言えない、言ったところでムダだし、逆に目をつけられて損をする。今のまま家畜でいれば少なくとも死ぬことはないし、家族と安寧の内に過ごせる。だから正義とか誇りとかそんな青いこといつまでも言ってないで大人になれよ…。

これは正解のない問いです。長い間死なないことが大切なのか、短くても生きることが大切なのか。ハンジはロイにどちらを選ばせるのか!?

ついでに王座の前に引きずり出されたエルヴィンの処遇は!?

 

つづく。

余談

「壁の下を掘って行方不明になった鉱夫」のエピソードはこちらの記事で読めます。

 

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別冊少年マガジン(毎月9日発売)で連載中、
「進撃の巨人」のネタバレ感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方はご注意下さい。

※フラゲ速報ではありません。本誌発売日の夜に更新することが多いです。

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